2007年2月21日:米国の自然食スーパーマーケット(Supernaturals)の最大手企業であるWhole Foods Market(本社:テキサス州オースティン)が業界第2位のWild Oatsを買収すると発表した。同社のプレスリリースによれば、買収価格はWild Oats社の普通株式1株当たり$18.50が支払われる予定で、総額5億6,500万ドルに相当する。Whole Foods社ではこの買収時にWild Oats社の負債(2006年9月末現在で1億600万ドル)を肩代わりする予定であり、これを加えると買収総額は7億ドルを超えることとなる。この買収発表後に、昨秋以来低迷していたWhole Foods Marketの株は一挙に$50超えとなり、Wild Oats株も上昇した。
Whole Foods Market社は現在、全米(および英国)で193店舗を展開しており、年間売上高は約56億ドル(2006年9月決算時)を計上して第2位のWild Oats社の11億ドルを大きく引き離している。ともあれ、規模の違いはあれ、両社が互いにしのぎを削りながら対抗してきた米国の自然食品スーパーマーケットという業態環境は、今後大きく変化することとなる。
結果的に、Whole Foods Marketへの一極集中による市場独占が生まれるわけで、それが業態の発展にとってプラスに働くか否か評価の分かれるところだろう。合併後にWild Oatsというブランドが維持されるかどうかはまだ決定されていないようだが、これまで両社が互いに隣接して競合出店してきたエリアについては、店舗の淘汰またはリロケーションが進むこととなろう。
自然食品(天然&オーガニック)市場では、近年、一般のスーパーマーケットなども積極的なマーチャンダイジングを展開しており、自然食スーパーマーケット(Supernaturals)業態もかつての威光が薄れつつある。そうした中で、一極集中型の企業がどのような戦略で他業態に対抗していくかが注目されるところである。
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