2011年4月25日にJNN(TBS系)で流されたニュースでは、福島第一原子力発電所の事故を受けて、ドイツにおける「脱原発」の動きが活発化していることを伝えている。
以下はそのトランスクリプト:
電力の2割強を原発でまかなうドイツで、福島の事故以来、「脱原発」の動きが加速しています。その原因を探りました。
「原子力以外でドイツがいかにエネルギーを確保できるかを明確にする」(ドイツ メルケル首相)
脱原発への政策転換を明言したメルケル首相。既に国内にある17基の原発のうち、稼働年数の長いものなど8基を一時停止としました。
最新の世論調査では、72%の人が脱原発を目指すべきだと回答。ドイツで原発が危険視される理由とは・・・。
「この原発は、ちょうど川の横に建っています。その地理的条件から、地盤に大きな問題を抱えています」(記者)
地質学者は、断層が走る地盤のもろさを指摘します。
「(原発の地下には)空洞があります。(石灰岩の層で)簡単に壊れます。津波や地震がなくても、地下の空洞が壊れれば、(地上の)配管にも被害が出ますよ」(地質学者 ハーマン・ベーメル氏)
地図には、原発の敷地を貫く5、6本の断層が示されていました。この流域では、もろい地盤を地下水が掘り崩すため、しばしば土地が陥没するということで、この原発でも90年に冷却塔の地盤が10センチ以上沈下したことが確認されたといいます。
「この空洞の上に原発を建てたら、どうなると思いますか」(地質学者 ハーマン・ベーメル氏)
「危険ですね」(記者)
「でも、もう建ててしまったのです」
実は、ドイツの原発は大半が川沿いに立地。その不安が脱原発の世論を後押ししているのです。
しかし、原発の一時停止でドイツは電気の輸入国に転落したと、電力業界団体が指摘。原発を運営する会社も「ドイツの原発は十分な安全性を満たしている」として、政府を提訴しています。
「(原発なしでは)エネルギー施設やインフラに今後10年間、毎年2兆円の設備投資が必要になる」(独経済研究所 経済部長)
脱原発政策を6月にも閣議決定するというメルケル首相。しかし、その具体化はまだこれからです。(24日17:38)
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