2011年4月26日火曜日

「原子力か化石燃料か?」 ドイツは誤った選択を拒否。

Nukes Or Fossil Fuels?
Germany Rejects False Choice

Nick Engelfried
Justmeans - Energy & Emissions Mar. 24, 2011 7:00 AM CDT
http://www.justmeans.com/Nukes-or-Fossil-Fuels-Germany-Rejects-False-Choice/47586.html




 日本の福島原子力発電所の惨事を受け、ドイツは化石燃料への依存度を高めることなく原発廃止を目指す計画を発表した。再生可能エネルギーへの投資を増やす ことによって、ドイツ政府は原子力エネルギーに内在するリスクを避けつつ、同時に気候変動と闘う考えだ。この計画が成功すれば、さらに環境にやさしい電力 網に転換したいと考えている他の国々にとっての一つの模範を示すことができるだろう。

ドイツは2000年に原子力廃止法(Nuclear Exit Law)を可決し、国の原子力への依存を2021年までに廃止することになっていた。しかし、ここ数年はこの法律を修正し、原子力発電所の寿命を延長しよ うというアンゲラ・メルケル独首相からの圧力がかかっていた。2010年にはメルケル首相の支援で、政府は原子力発電所の閉鎖期限をさらに12年延長し た。この戦略は当初から国民の評判が良くなく、日本で起こったことが、ドイツに反原子力熱の新たなうねりをもたらした。

それに応じ、メルケル首相とほかの政治指導者たちは、原子力エネルギーに関する見解を翻し、原子力のない未来を再び推進している。

メルケル政権は、原子力発電所を停止させるプロセスを、原子力廃止法に当初提示された期限より、場合によってはさらに短縮しようと考えている。しかしながら、原子力からの転換が石炭や他の化石燃料の燃焼を大幅に増やすような大きな動きを推進しなかったことは注目に値する。

それどころか、ドイツは原子力発電所と風力・太陽エネルギーといった再生可能なエネルギー源を置き換えようと計画している。一層素晴らしいのは、一 部ではドイツよりも風力、太陽光ともに豊富にある米国のような国々に備わる膨大な再生可能資源が、ドイツには乏しいという事実である。ドイツが原子力と化 石燃料とを同時に段階的に廃止していくことができれば、他国も同じことが可能なはずだ。

現在ドイツは米国と同様に、国内全体の1/4弱の電力を原子力で賄っている。ドイツには17カ所の原子力発電所があり、最古のものがまず停止される見込みだ。

ドイツはすでに再生可能エネルギーのリーダーで、現在全電力需要量の17%を再生可能エネルギーで賄っている。ドイツ政府はこの数字を10年以内に40%まで引き上げることを目指しており、2050年までに再生可能エネルギー100%の経済にする計画である。

これは全て、「各国は化石燃料か原子力のどちらかを選ばなければならない」と考える米国で一般的に遭遇する思い込みには相対するものだ。ドイツは、 化石燃料と原子力の推進派が予測した深刻な結果を全く招くことなく、両方をうまく廃止する態勢を整えたようだ。ドイツはこれを推し進め、再生可能エネル ギー源を利用するために送電網を調整することは問題ないと見込んでいる。米国にも同じことが十分できるはずだ。

福島原子力発電所は、現代の原子力が安全ではないことを示した。一方で気候変動が続いており、化石燃料からの転換の緊急性は日々高まっている。地球 の居住性がこれらの2大脅威にさらされる中、問題は原子力発電所と火力発電所のどちらをつくるかではない。むしろ、どれだけ迅速に世界がその両方から移行 できるかなのである。

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